オリジナル作品を1/6サイズに縮小した「ミニチュア コレクション」

ヴィトラデザインミュージアムは、所蔵するコレクションの中から、歴史に残る家具デザインのミニチュアを20年以上にわたり制作してきました。アールヌーヴォーからバウハウスのデザイン、そしてポストモダニズムから現代の作品に至るまで、家具の歴史の変遷を網羅したラインナップです。オリジナル作品を1/6サイズに縮小した、この「ミニチュア コレクション」は、構造や素材、色など、細部に至るまで忠実に再現しています。ネジなどのパーツの複製、自然な木目使い、手作業による職人技など、細部に渡りこだわり抜いた高い再現性で、コレクターアイテムとしてはもちろん、大学やデザイン学校、建築家にとっても重要な資料としても使用されています。

シンプルで印象的なフォルムと鮮やかな色彩を持つエーロ・アールニオのボールチェアは、1960年代の楽観的で消費主義的な大衆文化を象徴する存在です。同時に、この時代を象徴する、技術への飽くなき情熱も感じられます。当時としては全く新しい、複雑な形状でも比較的容易に量産を可能にした、むき出しのプラスチック素材、そして宇宙カプセルを思わせるダイナミックなフォルムです。

家の中で好きな場所に座れる、この可動式カプセルという発想は、1970年代に若く自由な社会に向けて議論された、ある種の生活様式を予見するものでもありました。この磨き上げられた球体は、外から見ると冷たく未来的な印象を与えますが、内部は、使う人が心地よく、守られていると感じられる空間を体感できます。内部は外部の騒音をかなり抑え、例えばあぐらをかくなど、様々な姿勢でリラックスすることができます。地面から少し高い位置にある円形の金属台座に取り付けられた球体は、軸を中心に完全に回転するため、ユーザーは「洞窟」からの眺めを自由に変化させることができます。ボールチェアは、このようにして家庭用品の中でも特別なカテゴリーに属しています。家具と建築物の中間に位置し、可動性と固定性、つまり「固定性」の両方を体現しています。

Eero Aarnio（エーロ・アールニオ）/ デザイナー

フィンランドデザイン界の巨匠、エーロ・アールニオ（1932 -）。彼のユニークで印象的なデザインは、歴史に名を刻む革新的なデザインとして知られています。彼の生み出す作品は、インテリアデザイン、プロダクトデザイン、グラフィックアート、映像作品まで多岐に渡り、フィンランドデザインが国際的に認知され、高く評価されるきっかけとなりました。
1960年代に入ると、エーロ・アールニオは鮮やかな色のプラスチック素材を用いて有機的なフォルムを形作ることに挑み、代表的な作品であるボールチェア（1963年）、バブルチェア（1968年）など、まるでポップアートのような先鋭的なデザインを次々と発表します。彼は、「椅子は座ったときに快適でなければならない。それ以外の制約は何もない。」という哲学を貫き続けています。今日、エーロ・アールニオの作品は、ロンドンのVictoria＆Albert Museum、ニューヨークのMoMA、ドイツのVitra Design Museumなど、著名な美術館の所蔵コレクションとして名を連ねています。

vitra（ヴィトラ）/ ブランド

1950年創業のスイスの家具ブランド。ヴィトラのオフィス家具は工業製品でありながら、「創造性」と時代の変化を見越した「先見性」、「品質」で国際的な評価を受けています。ジョ―ジ・ネルソンやチャールズ＆レイ・イームズ、イサム・ノグチ、ジャン・プルーヴェ、ヴァーナー・パントンなどの名作家具から、ジャスパー・モリソンやブルレック兄弟などの現代のデザイナーたちによる最新家具まで豊富なコレクションを揃えています。ドイツとスイスの国境付近にヴィトラの本社「ヴィトラ・キャンパス」があり、建築やデザインファンが多く訪れる観光名所としても有名。

［ vitra ］
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[オブジェ]
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[Miniatures(ミニチュア）]
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